最近、ニュースやネット上で「AI」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、「チャットボット」「RPA」「生成系AI」「AIエージェント」「エージェント型AI」など、さまざまな用語が出てきて混乱することもあるのではないでしょうか?そこで今回は、これらの違いを簡単に説明します。
チャットボット
チャットボットは、ユーザーとの会話を通じて簡単な質問に答えたり、情報提供を行ったりするプログラムです。例えば、企業のWebサイトにある問い合わせ機能などがこれにあたります。一般的に決まった質問に対してあらかじめ用意された答えを返します。
RPA(Robotic Process Automation)
RPAは、人間が行うパソコン上の定型的な作業を自動化する技術です。具体的にはデータ入力やファイル整理、メール送信などの繰り返し作業を自動的に実行してくれるため、業務効率を向上させることができます。
生成系AI(Generative AI)
生成系AIは、新しい内容を生成する能力を持ったAIです。文章、画像、音楽、動画などを自動的に作り出します。最近話題のChatGPTや画像生成ツールのStable Diffusionなどが代表的な例です。
AIエージェント
AIエージェントとは、特定のタスクを独立して判断・実行できるように設計されたAIです。例えば、Microsoft 365のCopilotは、ドキュメントを分析してレポート作成や専門的な質問応答を自動化できます。また、複数のAIエージェントが協力して業務を行う「マルチエージェント・オーケストレーション」という仕組みも登場しています。
エージェント型AI
エージェント型AIとは、人間の指示を待たず、自律的に目的に向かって判断・行動できるAIのことを指します。特徴としては、状況を認識し、必要に応じて他のシステムやAIと連携しながらタスクを遂行する点が挙げられます。
エージェント型AIは、単なる命令の実行ではなく、状況に応じた判断や柔軟な対応を含む点で、従来の自動化技術と一線を画します。今後はこうしたエージェント型AIが、人間と共に協調しながら、複雑な問題解決や業務の最適化に貢献していくと期待されています。
AI関連の用語や技術は日々進化しており、すべてを正確に理解するのは簡単ではありません。しかし、それぞれの特徴をつかんでおくことで、今後の技術活用に対する見方が大きく変わってくるはずです。
特に業務効率化や情報活用の場面では、こうした技術を適切に取り入れることで、大きな効果を生む可能性があります。まずは身近な用途から少しずつ取り入れてみて、自分なりの活用法を見つけてみてください。
用語解説
- チャットボット:決まった質問に対して定型的な回答を返す会話型プログラム。
- RPA(Robotic Process Automation):定型的なパソコン業務を自動化する技術。
- 生成系AI:文章や画像など新たな内容を生成する能力を持つAI。
- AIエージェント:特定のタスクを独立して実行・判断できるよう設計されたAI。
- エージェント型AI:人間の介入なしに自律的に判断・行動できるAI。状況を認識し、必要に応じて他のシステムやAIと連携しながらタスクを遂行する。

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執筆者: 綾部 一雄(株式会社クロスディーズ 代表取締役)
ネットワーク維持管理、システム開発、ベンダー調整のスペシャリスト。前職では、600名以上の介護事業所で、介護事業用ソフトの導入や契約の電子化、テレワークシステムの導入等に幅広くに携わる。2021年より、株式会社佐々木総研にて業務効率化のためのロボットや最新技術を活用した開発を行っている。