業務の効率化や課題解決のためにツール導入を検討する際、まず直面するのが「どうやって調べればいいのか分からない」という壁ではないでしょうか。今回は、どんなジャンルのツールでも共通する「選定から導入までの手順」と、私たちが実際にさまざまなツールを導入・検証してきた中で得たちょっとしたコツをお届けします。
■まずは検索から。情報収集の第一歩
ツール選定の最初のステップは、とにかく調べてみることです。例えば、「医療機関 予約システム」「社内 チャットツール」などのキーワードで検索をかけるところから始めましょう。
最近では、ツールを比較できるまとめサイトも充実しており、ChatGPTのような生成AIを活用して、検索のヒントをもらうのもおすすめです。「~に合うツールを教えて」と尋ねるだけで、有力候補が得られることもあります。
■機能と費用の比較、ここが最もハードルが高い
複数のツール候補が出てきたら、次はそれぞれの機能、初期費用、ランニングコストなどを比較します。ここが一番大変なポイントです。なぜなら、多くのサービスは公式サイトでは料金が明記されておらず、担当者との連絡が必須だからです。
ウェブミーティングで説明を受けることがほとんどで、無料トライアルの案内がある場合も多くあります。しかし、「忙しくて時間が取れない…」という理由で、この時点で検討が止まってしまうケースもよく見かけます。
ただし、担当者と話すことのメリットも見逃せません。たとえ似たようなツールが複数あっても、自社の業務フローに沿った最適なツールを選ぶには、「こういう使い方をしたい」という希望をしっかり伝えることが大切なのです。要件を話す中で、思いがけない提案をもらえることもあります。
■無料トライアルで使用感を確かめる
無料トライアルが提供されている場合は、ぜひ使ってみることをおすすめします。実際に手を動かすことで、「必要だと思っていた機能が実は不要だった」「逆に、重要な機能に気づけた」という発見があります。運用イメージも一気にクリアになるはずです。
■導入決定とコストの考え方
複数社の説明を受け、比較・試用を経て、最終的に導入を決定します。
導入にかかるコストは主に次の2つです。
- 初期費用:システム構築や設定費用。カスタマイズの有無で大きく変わります。
- 月額費用:利用ユーザー数に応じて変動する場合もあります。
さらに、機材の購入や保守費用が発生するケースもあるので、ランニングコストも含めたトータルでの判断が必要です。
世の中にはツールが溢れ、便利になった反面、選定そのものが負担になっているという声も多く聞きます。
- 「どのようなキーワードで調べればいいか分からない」
- 「各社の違いが分からない」
- 「ウェブ会議でどんな点を確認すればいいか不安」
そんなときは、ぜひ私たちにご相談ください。一緒にツールを探したり、すでにお使いのツールの活用方法を考えたりと、サポートさせていただきます。
ツール選定は「調査・比較・試用・導入」のステップをしっかり踏めば、誰でも取り組むことができます。無理せず、必要に応じて専門家に頼ることも、スムーズな導入の秘訣です。この記事が、みなさんのツール選定のヒントになれば幸いです。

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執筆者: 赤嶺 奈美(株式会社クロスディーズ プロジェクト進行統括マネジャー)
教育学部を卒業後、株式会社佐々木総研に税務課社員として入社。その後、総務課に異動し、請求業務や勤怠管理に携わる。2019年のICT活用推進課の発足時から所属し、社内文書の電子化やRPAの開発に取り組む。IT未経験から社内DXを推進した経験を活かし、現場視点での業務改善支援やローコードツール研修を担当している。