AIが業務に活用できると感じている人の多くは、すでにデータを活用し、分析すべき指標がある程度明確になっているのかもしれません。しかし、組織には様々な立場の人がいます。誰もがデータを活用し、分析の目的を理解できているわけではありません。
「AIにデータを投入すれば、分析結果が得られるのだから、可視化ツールを使う必要はないのでは?」という声を聞くこともあります。
AIは、一般的な分析のアドバイスを提供することはできますが、最適な指標を選び、組織の課題に即したデータを活用するには、やはり人の判断が必要です。
データを活用するためには、まず組織全体で「何を知りたいのか?」「どの指標を重要視するのか?」という共通認識を持つことが不可欠です。
組織運営においては、一部の人だけがデータを理解していればよいわけではなく、同じ目的意識を持ち、共通の目標に向かうことが重要です。 そのため、見える化や情報共有の仕組みを整え、誰もがデータにアクセスできる環境を作ることが、AIを活用するための第一歩となります。
もちろん、AIを含めた技術の習得や教育も大切ですが、それ以前に、組織の目指す方向性を明確にし、情報を共有することが必要です。
「自社でAIを運用するのか」「外部のツールを活用するのか」など、選択肢はさまざまですが、いずれにせよ、組織全体での理解と協力が欠かせません。
AIの活用を進める前に、まずは組織内の情報共有を見直してみませんか?
データの価値を最大限に引き出すために、まず目線をそろえ、共通の理解を築くことから始めましょう。

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執筆者: 赤嶺 奈美(株式会社クロスディーズ プロジェクト進行統括マネジャー)
教育学部を卒業後、株式会社佐々木総研に税務課社員として入社。その後、総務課に異動し、請求業務や勤怠管理に携わる。2019年のICT活用推進課の発足時から所属し、社内文書の電子化やRPAの開発に取り組む。IT未経験から社内DXを推進した経験を活かし、現場視点での業務改善支援やローコードツール研修を担当している。