AI同士が協力する未来「Agent2Agent(A2A)プロトコル」とは?

AIが人間の仕事をサポートする時代が当たり前になりましたが、AI同士が直接協力し合う世界が近づいています。Googleが新たに提唱した「Open Agent2Agent(A2A)プロトコル」は、複数のAIが互いにコミュニケーションを取り、一つの目標を達成するための共通ルール1つです。

従来、AIはそれぞれ独立して作業をしていましたが、A2Aプロトコルを使うと、AI同士が自動的に連携して作業を進めることができます。一つのAIが情報を収集し、別のAIがその情報を元に分析や意思決定を行う、といった連携がスムーズになります。

またAnthropicが提唱した「MCP(Model Context Protocol)」は、AIがWindows環境内でアプリやシステムの機能を簡単に呼び出せるようにする仕組みです。Microsoftは、これらのプロトコルに対応すると表明しており、A2AプロトコルとMCPが組み合わさることで、AIがWindows上でより柔軟に連携し、タスクを効率よく進めることが可能になります。

これらのプロトコルはオープンソースで提供されるため、開発者は自由にカスタマイズして利用可能です。AIの連携によって、複雑な業務がより迅速に処理され、仕事の効率が大幅に向上することが期待されています。

これからのAIの進化は、単体の性能向上だけでなく、複数のAIがチームとして働く能力をどれだけ高められるかにかかっています。A2Aプロトコルの登場で、その未来が現実味を帯びてきました。

用語解説:

  • オープンソース:ソフトウェアの設計図(ソースコード)を公開し、自由に改良や再配布ができる仕組み。
  • MCP(Model Context Protocol):AIがWindows上でアプリやシステムの機能をスムーズに利用できるようにする仕組み。

 

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執筆者: 綾部 一雄(株式会社クロスディーズ 代表取締役)

ネットワーク維持管理、システム開発、ベンダー調整のスペシャリスト。前職では、600名以上の介護事業所で、介護事業用ソフトの導入や契約の電子化、テレワークシステムの導入等に幅広くに携わる。2021年より、株式会社佐々木総研にて業務効率化のためのロボットや最新技術を活用した開発を行っている。