■はじめに
Power Automateのクラウドフロー版(以下クラウドフロー)のエラー対応を行っている中で、再処理時の挙動について気になる点がありました。
クラウドフローは、実行時にエラーが発生した場合でも、実行履歴から再処理を行うことができます。
このとき、Webhook などで受け取ったパラメータをそのまま引き継いで再処理することが可能です。
そこで疑問に思ったのが、フロー内で使用している 「現在の時刻」アクション も、初回実行時の値を引き継ぐのかどうか、という点です。
もし当時の時刻がそのまま使われるのであれば問題ありませんが、再処理した時点の時刻に変わるのであれば、記録や後続処理に影響する可能性があります。
今回は、この点について確認した内容をまとめます。
■検証内容
今回検証したのは、「現在の時刻」アクションが設定されているクラウドフローがエラーで止まったあと、翌日の実行履歴から再処理を行った場合に、「現在の時刻」アクションで取得される日時がどうなるか という点です。
■実装方法
図1のクラウドフロー履歴画面の上部にある「再送信」から再処理が可能です。「現在の時刻」アクションの出力は「2026-03-05T~」の日時です。
図1の履歴の翌日に実行した結果が以下となります。
図2から「現在の時刻」アクションの出力は「2026-03-06T~」でした。結論としては、初回実行時の時刻は引き継がれないことがわかりました。再処理を行った場合、このアクションで取得されるのは 再処理を実行した時点の時刻になります。
つまり、Webhook などで受け取った入力値のように、もともと外部から渡されたデータは引き継ぐことはできても、フロー実行中にその場で取得する値は、再処理時にあらためて取得されるという動きになります。
そのため、たとえば初回受付時刻や最初の実行時刻をそのまま保持したい用途では、
「現在の時刻を取得」アクションの値をそのまま使うと、再処理時に意図しない値へ変わってしまう可能性があります。
■まとめ
クラウドフローの再処理では、Webhook などのトリガーで受け取ったパラメータは引き継ぐことが可能ですが、「現在の時刻」アクションの値は引き継がれず、再処理した時点の時刻が取得されます。そのため、初回実行時の時刻を後続処理や記録に利用したい場合は、再処理時に再取得される値に頼るのではなく、設計の工夫やクラウドフローの修正といったイレギュラー対応が必要です。日々のエラー対応の中で気になる挙動は、実際の運用に直結する大事なポイントです。今回のように再処理時の仕様を把握しておくことで、想定外のデータ差し替わりや運用トラブルを防ぎやすくなると思います。
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執筆者: 村瀬 俊昭(株式会社クロスディーズ システム技術統括エンジニア)
前職では社内システムの運用、サーバーの監視、システム運用業務の構築、システム開発業務といった業務に幅広く携わる。2021年より株式会社佐々木総研にてロボットの設計・開発、社内SEとして従事している。釣りが趣味で、大のビール好き。
